1464 プラ工技研技術講座(会員の皆様へ)

 

エンプラ、スーパーエンプラを中心とした
難成形材料の特性・成形加工
——成形技術開発/成形の勘どころ/実践例 終了

 

 ● 耐熱、耐衝撃性のすぐれたスーパーエンプラの特性
 ● 金属代替エンプラ・スーパーエンプラ、複合材料への取組

 *エンプラ、スーパーエンプラ、高機能複合材料などを中心とした適用範囲の拡大と材料特性、成形加工技術の研究開発、その成果の実現について解説。 

  • 開催日時 平成29年2月3日(金)10時30分 ~ 17時00分 
  • 会 場 きゅりあん(4階第1グループ室)東京都品川区東大井5‐18‐1 >> 地図
  • 参 加 費 正会員(個人・法人)29,000円  一 般(会員外)34,000円(いずれもテキスト、資料及び昼食代を含む)

 

 ■ 講師および講義内容 

 

 担当講師

 平成29年2月3日(金) 10時30分 ~ 16時30分

 高野技術士事務所 所長 高野 菊雄 氏

 

 講義内容

 難成形エンジニアリングプラスチックの特性と射出成形

 

 1.難成形とは 

(1)溶融粘度が高く、射出成形が難しいグループ 

例えば、四フッ化エチレン樹脂、熱可塑性ポリイミド、ポリベンゾイミダゾールなど 

   (2) 試作から量産への移行で不良が発生しやすく手離れが良くないもの、および 直行率100%での不良ゼロ成形の達成が難しいグループ 

例えば、アスペクト比の大きいガラス繊維強化樹脂グレードや精密成形の要求レベルが高い成形品に使用される樹脂など 

 

 2.直行率100%でのゼロ成形を阻害する要因 

①樹脂の成形性  ②成形品形状設計  ③金型設計  ④成形機性能  ⑤周辺機器性能 

 

 3.難成形エンプラの特性と射出成形性 

 ——難成形の主要因の1つとしては、アスペクト比の大きいガラス繊維などによる強化グレードで、成形収縮率の異方性が大きいことが挙げられる。

また高品質成形に必要となる溶融粘度特性の他にガス発生率や結晶化速度、および金型鋼材を腐食させやすいなど樹脂の射出成形性を理解しての高度な射出成形技術レベル要求も難成形の要因となる。 

 

(1) PBT(標準グレードはGF30%入り) 

   ——耐熱性・電気的性質などに優れているPBTの成形上の留意点は、成形収縮率異方性および加水分解性・ガス発生などである。 

(2) PPS(標準グレードはGF40% 入り) 

   ——耐熱性・耐薬品性・耐熱水性などに優れているPPSの成形上の留意点は、成形収縮率異方性および結晶化速度・ガス発生率・ばり発生・金型腐食性などである。 

(3) LCP(標準グレードはGF30%入り) 

   ——薄肉流動性・制振性・ガスバリア性・耐熱性などに優れているLCPの成形上の留意点は、自己補強効果による成形収縮率異方性・加水分解性・ガス発生などである。 

(4) POM(標準グレードは非強化) 

——POMは非強化グレードで金属代替が可能なバランスのよい特性を有している樹脂であるが、ホモポリマーとコポリマーがある。

成形収縮率が大きいことによる寸法公差に関連する寸法ばらつきやひけ・ボイドなどの不良対策留意点がある。 

(5) ポリアミド(標準グレードは非強化であるが、工業用部品にはガラス繊維強化グレードの使用が多くなる) 

   ——さまざまな特徴のあるグレードがある。吸湿率の大きいグレードでは、予備乾燥方法が吟味されなければならないし、オリゴマーが多いことによるガス発生も問題となる。

工業用部品に使用されるガラス繊維強化グレードでは、成形収縮率の異方性による成形不良に対する配慮が必要となる。 

(6) PEEK(標準グレードは非強化) 

   ——耐熱性・耐薬品性・耐放射線性に優れているPEEKの成形上の留意点は、溶融温度が高い・結晶化速度が遅いなどである。 

(7) イミド系樹脂 

   ——有機高分子材料として、極限に近い耐熱性を有するポリイミド(PI)には、①直鎖状でありながら不溶融の全芳香族PI(圧縮成形による素材の成形)、②分子内に架橋可能な官能基を有する熱硬化性PIがある。

難成形の熱可塑性ポリイミドの成形性を改良したポリエーテルイミドやポリアミドイミドがある。

耐熱性・電気絶縁性・複合グレードとしての摺動性などが活用されての機械部品・電気電子部品やフイルム・コーティングなどによる用途展開がある。